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元代表日記

忘れてはならない日

被災地に行く機会があった。
行って思ったことは、そこは『整理された被災地』だった。
たぶんきっと、震災直後は沢山の物や事が混沌と津波とともに渦巻いてたんだろう。
でもその混沌がとても煩わしくて、その混沌がとても辛かったから、
いてもたってもいられない気持ちでそれを除いてみたら、
そこには何もかもが無くなってしまっていた。
そんな光景がただパノラマに在るだけだった。
歩く人が悲しげだったのは、きっと僕の思い込みだと思う。
あの光景の中で人が歩けば、どんな人だって悲しげに見えるのだと思う。
でもそれはよそ者の僕だから見れる光景。よそ者の僕だからそう感じる光景。
僕はあくまでもそこではよそ者だった。
よそ者にはよそ者なりの視線しかそこにはなかった。
忘れてはならない日_c0180268_22181438.jpg

# by manabitt | 2011-08-03 22:18 | ひとりごと

夏到来

やっとこさ蝉が鳴き出した。やっと夏になった。
たしか去年は記録的な猛暑だったが、今年は今年で節電からくる新たな猛暑がくるのだろうか。

でも僕はそんな汗の吹き出るような暑い夏が実は好きで、
普段カメラをぶら下げて街を歩く時も、
暑ければ暑いほど、妙に撮影に力が入っていくようで、
この暑い日差しがある意味、自分の写真行為へのカンフル剤になってしまっている。
ISO400のトライXを一瞬にして感光してしまうこの夏の日差しが、
僕の心の高揚感さえも一瞬にして感光してしまっているのである。

去年の10月10日にはじまったGALLERY SHUHARIにとっては初めての夏で、
フレームと工具と脚立と印画紙の空き箱が半分以上埋める事務所の隣の展示スペースでは、
この夏の下を歩いた僕の足跡が展示される予定で、
そんな意味でも僕にとっては、この夏の日差しには感謝せざろう得ないのである。

夏到来_c0180268_23394873.jpg


しかし扇風機も無い事務所に差し込む容赦ない西日には、
あまり歓迎できないのが本音でもあるのだが…
# by manabitt | 2011-07-25 23:40 | ひとりごと

祝日記

 みなさんはじめまして。GALLERY SHUHARIメンバー、中山学です。僭越ながら『代表日記』を書く事になりました。

震災以降、政治を筆頭にゴテゴテの我が国ニッポンですが、まだまだ捨てたものではないとサムライ魂ならぬ『写ムライ』魂でもって、このうだつの上がらん世の中を写真で斬る!なんて冗談のようで大真面目に、写真と真摯に向き合える場所になればなと思っております。
 
 さて記念すべき一回目の代表日記は、現在BLDギャラリーにて開催中の、『吉行耕平 The Park展』について。夜の公園、絡み合うカップル。そしてそれを覗く男達。70年代初頭から赤外線フィルム、赤外線ストロボで制作されたその写真は、エロく、わいせつで、見たことないスキャンダラスな世界。

本来写真の持つ『伝える』という本質そのものが浮き彫りにされていて、まさにスキャンダルで、強く説得させられる写真でした。ご本人と少しお話する機会があったのですが、自分の写真、自分の独自性を追求した結果、この作風になったそうです。

やはり、『他にないもの』を意識した結果にしか、新しいものは生まれないのだなとあらためて実感しました。はじめは日本でも話題になったものの、いわゆる『キワモノ』扱いをされ、あまり表舞台には出ることはなく、一部の間で高く評価される程度だったそうですが、数年前にマグナムのマーティン・パーが面白いと目をつけたところ、世界から注目されるようになったそうです。
祝日記_c0180268_21315650.jpg

外国人の慧眼によって再確認されたってのが、写ムライ魂を持つ日本人としてなんとも歯がゆいですが、日本にはまだまだ素晴らしい写真家、写真が潜在的に在ることの証明なんだと思わされる写真展でした。7月18日あと少しの開催期間です。見ていない方はお見逃しないように。
# by manabitt | 2011-07-12 21:32 | 写真展